BRICs辞典
  BRICsについて ブラジル  ロシア インド 中国 南アフリカ  

ブラジル株ETFに投資する方法

BRICs辞典 > ブラジル > ブラジル株ETF

ブラジル株に投資するには、大きく分けて投資信託・ETF・個別株の3通りの方法があります。初心者には個別株よりも、多くの企業に分散している投資信託がお奨めなのは説明した通りです。しかし、投資信託よりも更に低コストで分散投資できる方法として、ETF(上場投資信託)への投資があります。

ブラジル株のETFには、日本の東証に上場している「NEXT FUNDS ブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信(証券コード:1325)」と、アメリカに上場している「MSCIブラジルインデックス(ティッカー:EWZ)」の二つがあります。この二つのETFは、ブラジルの平均株価指数である「ボベスパ指数」に連動するよう運営されます。

ブラジル株の投資信託で紹介した「HSBCブラジルオープン」は、信託報酬が1.995%掛かりますが、東証の1325は信託報酬が0.99%、アメリカのEWZなら0.63%とかなり安くなります。信託報酬は、成績の善し悪しに関わらず、毎年基準価格から引かれることになり、年間1%の差でも長期では複利効果により大きな利回りの差が生まれます。

下記は、元本100万円を年率10%(およそ世界の株式利回りの平均)で運用した場合、信託報酬の差がどれだけ利回りに影響するかをシミュレートしたものです。信託報酬が2%の投資信託と0.63%のETFでは、1年では大差ありませんが、10年では約30万円、20年で130万円以上の差が付きます。これが”複利”のすごい所で、一年ではわずかな差でも長期では恐ろしいほどの差が付くのです。

信託報酬の利回りへの影響(単位:円)
保有期間\信託報酬 0.63% 1% 1.5% 2%
1年 1.093.700 1.090.000 1.085.000 1.080.000
5年 1.564.916 1.538.624 1.503.657 1.469.328
10年 2.448.962 2.367.364 2.260.983 2.158.925
20年 5.997.417 5.604.411 5.112.046 4.660.957
30年 14.687.449 13.267.678 11.558.252 10.062.657

但し、アメリカのETF(EWZ)を買うには、まず外国株口座の開設手続き、次に日本円を米ドルへ両替(為替手数料が掛かる)が必要で、気軽に売買・・・とは行きません。しかも売買の最低手数料が約2500円ほど掛かるので、少額投資で短期運用の場合ではかえって高コストになります(EWZを買える楽天・SBI・マネックスの各証券ほぼ共通)。逆にHSBCブラジルオープンは約1万円程度から買えますし、為替手数料も不要ですから、一概に悪いとも言えません。

長期投資の場合は、毎月少額ずつ投信に積み立て投資して、まとまった金額にまで積み上がれば、より信託報酬の安い海外ETFへと鞍替えする「リレー投資」という方法もあります。

東証のブラジル株ETF(1325)には問題が・・・

なお、もう一つのETFである東証の1325の方ですが、このETFには2つの大きな問題をはらんでいます。このETFは「リンク債(別名ETN)」といって、現物のブラジル株を買い付けるのではなく、ブラジル株(ボベスパ指数)の値動きに連動することを保証する債券に投資しています。そのリンク債は「ノルウェー輸出金融公庫」が発行しています。

例えばアメリカのEWZは、仮に運用元である「バークレイズ」が破綻しても、ブラジル株を実際に買い付けているので、ファンドが解散するだけで、投資家にはその時の時価で返還される仕組みです。ところが東証の1325ETNの場合、もし発行元であるノルウェー輸出金融公庫が破綻すれば、財産は一切残らない可能性が強く、投資家にはお金が戻ってこない恐れがあるのです。

つまりETN(リンク債)は、発行元が「保証しますよ」と言っているだけで、保証の原資となる資産が十分かどうかは分からないので、実際に保証があるのかは怪しいと言うことになります。口の悪い人は、ETN(リンク債)は「ノミ屋で買う馬券のようなもの」と言っていたりします。

またもう一つの問題点として、価格の乖離が大きい事も上げられます。2009年10月に2016年オリンピック開催がリオデジャネイロに決まると、1325には買いが集中して価格が実際のボベスパ指数から大きく乖離しました。乖離がピークだった10月中旬には、ボベスパ指数が月初から約10%の上昇だったのに対し、東証の1325の上昇率は30%を超えました。

ETFが連動元の指数と1〜2%の乖離を見せるのは珍しくありませんが、ここまで大きな乖離が起こることは非常に由々しき問題です。何せこの時期に買った人は、本来のボベスパ指数よりも約20%も割高で買っているので、価格の乖離が元に戻れば、その分は丸損になるのです。

ブラジル1325に限らず、日本に上場している外国株ETFの多くがリンク債(ETN)であり、連動指数との乖離が大きくなる傾向が強いようです。ですから、外国株投資の初心者が、勉強がてらに少額投資する分には良いのですが、多額の資金を長期に渡って運用する場合は、手続き等が面倒でもアメリカ上場のETFを買う方が安全です。

 









免責事項・リンクポリシー | お問い合わせ | 海外投資データバンク | HOME

Copyright (c) 2006-2013. BRICs辞典. All Rights Reserved.