BRICs辞典
  BRICsについて ブラジル  ロシア インド 中国 南アフリカ  

ブラジルのフレックス燃料車(エタノール車)

BRICs辞典 > ブラジル > フレックス自動車

昨今の記録的な原油高で、世界各国の自動車産業が揺れています。日本のトヨタやホンダなど、ガソリン消費効率(燃費)の良いハイブリッド車が世界的に売上を伸ばしている一方で、燃費という観点が完全に欠落していたアメリカ車の販売が落ち込んでいます。2006年度には、トヨタがGM(ゼネラルモーターズ)から販売台数世界一の座を奪う可能性も高まっています。そもそも石油自体が、あと数十年で枯渇すると言われている限りある天然資源ですから、電気自動車や燃料電池車など、新たな動力源の開発競争は、自動車産業の最大の争点でもあります。

そんな中で新たに注目されているのが、ブラジル国内で幅広く浸透している「フレックス燃料車」の存在です。フレックス燃料車とは、ガソリンとエタノールと、どちらでも燃料として利用できる自動車の事です。ガソリンだけでも、エタノールだけでも、そして両者を混ぜて給油したとしても、走行可能なエンジンを持っています。そしてエタノールは、農作物であるさとうきびやとうもろこしや麦などから分離・生成できるので、半永久的に再生産が可能な燃料なのです。

さとうきびからエタノールを精製する「バイオエタノール燃料」は、燃費効率こそガソリンより2〜30%劣るものの、大量生産さえ出来ればガソリンに比べて価格が安くなります(ブラジルでのエタノール燃料の価格は、ガソリンの60%程度)。その上、CO2(二酸化炭素)排出量も少ないために環境にも優しいとあって、環境保全の観点からも世界中から注目を集めています。

バイオエタノール燃料の需要増で穀物価格高騰

ブラジルではオイルショックで経済が打撃を受けたのを機に、1975年から「国家アルコール計画」と名打った戦略を取り入れました。国策としてサトウキビなどからバイオエタノール燃料の生産に力を入れると共に、エタノール車の普及にも努め、全てのガソリンスタンドでバイオエタノール燃料の販売を義務付けてきました。そのおかげでブラジル国内では現在、エタノール燃料に対応したフレックス燃料車が約2割を占めており、新車販売の約9割がフレックス燃料車になっています。

フレックス自動車の普及と商品市場全体の高騰が重なり、近年ではエタノール自体の価格が上昇している上に、ブラジル国内でもエタノール及びさとうきび自体が供給不足ぎみです。その為ブラジルでは、フレックス自動車やエタノール燃料の輸出はもとより、さとうきびからエタノール燃料を精製するバイオテクノロジーの技術自体も、世界へ輸出していく方針です。特に、同じ途上国であり、化石燃料に乏しいアフリカ諸国との連携が強まっています。

日本でも期待が徐々に高まりつつあります。京都議定書でCO2の厳しい削減目標が掲げられた為、再利用可能な動植物製エネルギー「バイオマス」の利用促進を政府が閣議決定するなど、バイオエタノール利用の土壌が出来つつあります。トヨタが2008年度をめどにエタノール車の市場投入を決めたり、ビールメーカーであるアサヒビールが、さとうきびからエタノールを精製する技術の開発を進めており、今後の発展に期待が掛かっています。

 









免責事項・リンクポリシー | お問い合わせ | 海外投資データバンク | HOME

Copyright (c) 2006-2013. BRICs辞典. All Rights Reserved.