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インフレターゲット制度導入と経済成長率

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ブラジルは1999年7月よりインフレターゲット制を導入しています。インフレターゲット制度とは、その国の政府及び中央銀行が、毎年のインフレ(物価上昇)の目標値を公表し、金利などを調整してその数値に近づくようにする政策の事です。つまり、本来は市場原理によって自然に起こる物価の変動を、国家が意図的に調整していく政策です。

デフレに悩まされていた日本でも、インフレターゲットの導入を提言する経済学者が多くいました。国家の経済と言うものは、インフレになりすぎても、またデフレになりすぎても悪影響が出ます。政府や中央銀行が、適度な物価上昇率になるよう調整できれば、国の経済を安定的に成長させる事が出来るので、ブラジル政府の試みは世界中の経済界から注目されていました。

では実際にブラジルのインフレ率は目標通りに調整できているのでしょうか?以下の表は、導入時の1999年から2004年までのインフレ率と実質経済(GDP)成長率をまとめました。
※2010年現在の最新のデータはブラジルのインフレ率のページに。

年度 1999 2000 2001 2002 2003 2004
目標インフレ率 6〜10% 4〜8% 2〜6% 1.5〜6% 8.5% 3〜8%
実際のインフレ率 8.9% 6.0% 7.7% 12.5% 9.3% 7.6%
実質経済成長率 0.8% 4.4% 1.5% 1.9% -0.2% 5.2%

2001年から2003年までの3年は、通貨=レアルの為替相場が大幅に下落した為に、目標値通りには収まりませんでした。ブラジルの経済成長率がこの3年間低迷していたのも、目標値以上にインフレが進んでしまったことが大きな原因です。逆に目標値を達成した2000年と2004年には、経済成長率も高い水準に達しています(99年7月より導入の為、99年度は例外)。このことからも、行き過ぎたインフレが経済に悪影響を及ぼすという意味が分かりますね。

ブラジルは石油消費量の約90パーセントを自給できているので、昨今の世界的な原油高の影響も比較的小さく済んでいます。故に、インフレターゲット制の目下の懸念材料は、通貨=レアルの為替レートの不安定さに絞られると言えます。

アメリカの政策金利が現在のような高い水準で維持し続けば、世界の投資マネーがアメリカに一極集中していき、為替市場においてはドル高が進行します。ドル高になれば、相対的にレアル安の相場となりますから、仮にブラジル国内の経済が好調だったとしても、01〜03年のようにレアル安を原因とする急激なインフレを抑制しきれなくなる懸念があります。

つまり極論すれば、ブラジルの経済成長が続くか否かは、アメリカの政策金利を決めるFRB(米連邦準備理事会)が握っているとも言えるでしょう。

 









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