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レアル建て預金の注意点

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日本国内で、ブラジル・レアル建てでの定期預金サービスが始まっています。これは、ブラジル最大の金融機関である「イタウ・ウニ・バンコ(イタウ銀行)」の日本支店が始めたサービスです。

2010年5月末現在の金利は、1年定期で約9%(税引き後には7.2%)と、日本の定期預金よりもはるかに高い利息です。また将来的には、経済成長の差などからブラジル・レアルは日本円に対して強くなる・・・つまり円安=レアル高になっていく可能性が強いと考えられています。高い利息に加えて、為替差益まで見込めるのですから、非常に魅力的な預金です。

しかしこのレアル建て預金には、注意すべき点が非常に多いです。まず為替レートについてですが、レアルが円に対して強くなるのは、あくまで長期的な観点からであって、短期的には大幅に円高が進む可能性も十分あります。定期預金に加入する際のレート次第では、高い金利も吹っ飛ぶ恐れもありますので注意が必要です。

ブラジルレアルは、ドル円などと同じように完全な変動相場制が採用されています。最近流行の「人民元建て預金」の場合は、中国政府が為替介入して事実上の固定相場になっていますが、徐々に為替介入を減らして元高になっていくことが確実視されています。つまり人民元の為替レートは長期的には確実に上昇しますが、ブラジルレアルにはそのような絶対的な根拠がなく、短期的には大きく円高に進む危険性もはらんでいます。

また最低預入額が1万米ドル相当(約100万円)からと高額であることや、為替差益が雑所得として総合課税される(株式投資などとは損益通算できない)など、他にも欠点は沢山あります。中でも最大の問題は、手数料と税金の高さです。

為替手数料や税金の問題が大きい

このレアル建て預金は、満期日には再度定期預金するのか、円やドルに即時両替して解約するかを選択する必要があります。しかし為替手数料を考えると、1年で解約すれば(為替変動を除いて)ほとんど利益は期待できない構造です。というのも、為替手数料は1レアル当たり片道1.5円=往復3円もかかりますから、最低単元である約100万円=2万レアルの預金でも、往復で約6万円(6%相当)の為替手数料が掛かることになります。税引き後7.2%相当の利息が付いても、6%も為替手数料を引かれては、一年での利益は1%強に過ぎません。つまり1年定期の満期後も両替せずに継続して預金しない限り、全く旨みはありません。

ちなみに類似商品として、SBI証券など一部のネット証券でブラジルレアル建て債券の販売も行われています。年利9%(税引き後7.2%)という利息や、為替スプレッドが片道1.5円かかることなど、内容的にはほとんどイタウ銀行の定期預金と変わりません。しかし外債の場合、満期前の売却による為替差益は非課税(満期まで持てば雑所得として総合課税)ですから、外貨預金よりも有利といえます。

レアル建て預金に限らず、外貨預金というのはコストが高い上に税金面でも最悪の、極めて不利な金融商品です。一見高い利息に見えても、実際にはリスクの割には旨みが少ないことを理解しておくべきです。高い利益を狙いたいなら、外国債券の投資信託やETFを買う方が、圧倒的に低コストなので賢い選択です。

 

 







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