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ブラジルワールドカップとオリンピックの経済効果

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ブラジルでは、2014年にワールドカップ、2016年にオリンピック(リオデジャネイロ)が開催されます。この世界的なスポーツ祭典が続けて開催されることは、ブラジル経済に大きなプラス効果をもたらすでしょう。スタジアム建設や、道路や鉄道など交通インフラの整備、ワールドカップやオリンピック期間中の海外からの観光客増加など、その経済効果をまとめてみました。

ブラジルのスポーツ省は、ワールドカップ・五輪も含めた経済効果を1550億レアル(約6兆円)、さらに300万人の雇用創出が可能だと予測しています。内訳は、直接的効果(インフラ投資、観光客の増加、国内消費の増加など)が約1.8兆円、そこからの経済波及効果が約5.2兆円、と予測しています。

ちなみに南アフリカワールドカップでは、全部で10のスタジアムの建設・増改築が行われ、約8万人の新規雇用と、17億ユーロ(約2000億円)が使われたと言われています。ブラジルワールドカップでは、12のスタジアムが建設・増改築されますので、南アフリカと同等、あるいはそれ以上の経済効果が見込まれるはずです。例えば、ブラジル屈指のビーチリゾートであるレシフェでは、観光客の増加を見込み、既に約20軒のホテルで建設・改修が進められています。

一方、ブラジル国民の消費面で言うと、試合観戦や情報収集のために、テレビやパソコン、携帯電話などの需要が高まります。また試合会場には入れずとも、パブリックビューイングでの集客も期待できるはずです。特にブラジルはサッカー大国なので、ワールドカップでのパブリックビューイング需要は大きいと予想されます。

しかし、オリンピックやワールドカップの開催は、必ずしも良い面ばかりが生まれている訳ではないようです。2012年頃より、ブラジル国内ではワールドカップ開催に反対するデモが各地で激化しています。デモ隊の主張は、インフラ建設など一部の利権者だけが潤う金の使い方をせず、貧困層にも幅広く恩恵が及ぶ経済対策に金を使えというものです。また、建設業に従事する人達が、賃金の改善を求めたストライキも頻発しています。サッカー大国ブラジルで、ワールドカップに反対やストライキする人達がいる事は、にわかに信じがたいですが、それだけブラジル国内で貧富の差が拡大しているという事です。

6兆円の経済効果の信憑性と、オリンピックレガシー問題

そして、上記の経済効果の金額には、信憑性に疑問を投げかける声も少なくありません。特に「経済波及効果」というのは、そもそも正確に算出できる数値ではなく、計算者の都合の良いバイアスが掛かった金額として出されるのが通常です。果たして6兆円もの経済効果が本当にあるのか、大いに疑問だという指摘です。

また、道路や鉄道などの建設は、後々まで国民の「資産」として活用されますが、スタジアム建設などは活用されずに「負の遺産」となるケースも少なくありません。実際、シドニーやアテネや北京など近年の五輪開催地では、閉会後に使われずに放置された施設が頻発し、問題化しています(オリンピックレガシーと呼ばれる)。ブラジルの場合、サッカースタジアムはともかく、オリンピックの各種競技施設に関しては、閉会後にオリンピックレガシーになりかねないと危惧されています。

2020年の開催が決まった東京オリンピックも、この問題は共通項ではあります。しかし日本の場合、ブラジルと比べてスポーツ文化が多彩な事や、社会インフラのベースが既にできあがっている事から、オリンピックレガシー問題は軽微だとの声もあります。但し、その分経済効果は大きくはなりません。「東京オリンピックには150兆円の経済波及効果」と大風呂敷を広げる人もいますが、前述のようにそもそもインチキ臭い計算によって出されたものである事は、留意すべきでしょう。

 









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