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ADR(米国預託証券)を使った個別株投資

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BRICs諸国の個別企業に投資する場合、中国以外の国へはまだまだ投資環境が整っていません。特にインドや南アフリカの個別株には直接投資する方法は存在しません(外国人の株式投資制限がある等)。しかし、アメリカ市場に「ADR」として重複上場している企業なら、直接投資することも可能です。

ADRとは「American Depositary Receipt」の略で、日本語に直すと「米国預託証券」と訳されます。アメリカ以外の外国企業が、アメリカの信託銀行に自社株式の一部を預け、それを原資にアメリカの銀行がアメリカ市場に当該企業の株式を上場させ、投資家が株を売買出来るようにするのです。

つまりADRは本国の株式の一部を米国市場に振り分けているだけに過ぎず、決してアメリカで「増資(資金調達)」している訳ではありません。しかし新興国企業にとっては、アメリカ市場に上場することは、世界的に知名度を得られるために広告効果が期待できると同時に、アメリカの会計基準や情報開示などを満たしている証明でもあるので、内外的に自社の信用力が増す効果もあります。

我々投資家サイドから見ても、個別株への直接投資する方法が乏しい新興国に手軽に投資できるという点で、ADR制度は非常に有り難いです。BRICsの5カ国全てでADR銘柄が存在し、当サイトで紹介しているタタ自動車(インド)やヴァーレ(ブラジル)やサソール(南アフリカ)などもADR銘柄ですので、楽天証券などで売買出来ます。

ADRは現地通貨が重要で米ドルは関係ない

ADR投資でありがちな間違いは、アメリカ市場で売買するが故に、ドル・円の為替レートの影響を受けると勘違いすることです。しかし結論から言えば、米ドルはあくまで仲介通貨に過ぎず、実際に影響を受けるのはその国の現地通貨と日本円との為替レートです。

例えばブラジルのAという企業の株を買うとして、このA社の株価が現地で200レアル・ADR株が現在100米ドルだとしましょう。そして現在為替レートが1レアル=50円、1ドル=100円、1ドル=2レアルだとします。日本人がこのA社株を1株を購入する場合、投資額は1万円になります(手数料等は考慮しない)。

もしこのA社株の業績が現状維持を続け、現地での株価が変わらなかったとします。そして現在懸念されているように米ドルの価値が減価して、現在の半分になったとしましょう。すると1ドル=50円の円高ドル安になる訳ですから、100ドルのADR株の価値は5千円となり、一見損するように見えます。

しかし米ドルの価値が半分になるなら、同時に1ドル=1レアルへとレアル高ドル安になるはずです。つまりA社の株価は、現地で200レアルのままなら、ADR株は100ドル⇒200ドルへと(原理的には)値上がりするはずなのです。そして1ドル=50円ですから、結果的には日本円での投資額=1万円は変わらない訳です。

ADRと現地の株価とには数%程度の乖離が発生することはありますが、余りにも価格差が大きいと、その利ざやを稼ごうと投機筋などが裁定取引を仕掛けます。ですから、米ドルの価値が1/2になっているのにも関わらず、ADRの値段がそのまま放置されることはまずありえません。必ずADR株の方へ投資資金が集まって、為替レートを概ね反映した水準(この場合は約2倍の価格)で落ち着くことになるでしょう。

結局、日本の投資家が注意すべき点はドル・円の為替レートではなく、ブラジルレアルや南アフリカランドなどADR企業の本国通貨と日本円との為替レートです。仮にアメリカドルが暴落しても、それは我々日本人投資家の最終利益には関係ありませんから、今後米ドルの価値が減価していっても気にする必要はありません。

 




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