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中国の外貨準備は偽装(水増し)されている!?

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中国は世界最大の外貨準備金を持っているとされており、その額は2014年末で約3兆8千億ドル(400兆円以上)と公表されています。しかし外貨準備の内訳などは非公表であり、実体はベールに包まれています。しかも、実は中国の外貨準備の公表金額は大幅に偽装(水増し)されていて、実際にはもっと少ないのでは?と警笛を鳴らしている欧米の専門機関の調査結果もあります。

中国の外貨準備高推移を見ると、2000年代に入ってから急増しています。中国は人民元を管理通貨として為替レートをコントロールしています。2000年代の中国経済の急成長は、製造業を中心とした莫大な貿易黒字がもたらしましたが、これは人民元を割安な為替レートに抑えていたからです。

要するに貿易黒字を稼ぐ為に、中国人民銀行(=中国政府)は莫大な量の元売り・ドル買いの為替介入を行い、人民元の為替レートを割安に保ってきたのです。

この為替介入の結果、中国人民銀行の金庫に積み上がった米ドルが「外貨準備金」です。実際にはドルの多くは米国債として保有され、またユーロや金(ゴールド)など他の金融資産へも転換して保有していると言われてきました。

しかし、アメリカの研究機関GFI(グローバル・フィナンシャル・インテグリティー(※注1))の調査によると、中国の外貨準備は大幅に偽装されている可能性が高いと警告しています。GFIによると、中国の外貨準備で確実に存在していると計算できるのが米国債保有分(1.2兆ドル)であり、不正に国外へと流出した外貨準備が最低でも1兆ドル以上存在するだろう、という衝撃のレポートを発表しています。つまり中国政府の公表額は、少なくとも3割は減少しているはずだ、という推測です。

それを裏付ける形として、中国では政府高官が不正にカネを国外へ持ち出している動きが確認されています。中国の新聞「人民日報」は2014年11月に、1990年以降に不正に資産を持って海外に逃亡した政府高官や国有企業幹部が2万人以上、流出した金額は1兆元(約17兆8000億円)にも達する、と報じています。 中国共産党のトップである習近平自身も、海外資産が3億7600万ドル(400億円以上)を保有していると報じられており、姉夫婦がカナダ国籍を取得するなど、親族も海外へ逃亡を始めているようです。

2015年8月の人民元切り下げは外貨準備補填の意味もある

中国政府は人民元の国際化を徐々に進めていくと公表していますが、現実には不可能だろうと予測する専門家は多いです。外貨準備やGDP成長率などの統計が偽装されていると分かれば、中国経済のリスクが顕在化することになり、キャピタルフライトが加速して人民元が大暴落する可能性があるからです。

当サイトではかねてより、中国の経済成長などを勘案すると人民元は割安にコントロールされており、将来的には通貨高(切り上がる)だろう、と予想してきましたが、統計が大幅に偽装されているのであれば逆に元安に向かうことになります。シャドーバンキング問題で不動産バブルが崩壊し、中国経済に急ブレーキが掛かれば、一気に経済が破綻するリスクもあり、そうなれば人民元は本来、暴落するしかありません。

2015年8月に中国人民銀行が政策転換をして、人民元の切り下げに走り始めましたが、これは偽装分を除いた中国経済の実体に則せば、人民元はもっと安いのが正当だという事を暗示しています。そして人民元の切り下げは、元売りドル買いの為替介入を増やす事を意味するので、これで減少している外貨準備を補填するという意図もあるのです。つまりこの人民元切り下げは、輸出促進(景気の下支え)という意味だけでなく、減損した外貨準備を補填する、という二重の経済対策だと言えるのです。

 

※注1;世界の金融市場の安全性や不正行為などを調査する、アメリカの非営利シンクタンク。









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