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中国と台湾の問題〜独立を認めない理由

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中国が抱える大きな問題の一つに、台湾との関係(中台問題)があります。第二次大戦後に中国は激しい国内内戦が起こり、1949年には毛沢東率いる中国共産党が本土を制圧し「中華人民共和国」を制定し、対立していた蒋介石率いる中華民国政府は台湾に逃れて独立自治を進めるようになりました。以来、国際的には台湾は中華人民共和国の一部と認定されていますが、両者は対立したままで、統一国家の名目ながらそれぞれ独立自治を行っている状況です。

国家として正式に独立したいと国際舞台で訴えている台湾ですが、中国政府は絶対にそれを認めようとはしません。日本の国会議員が一言「台湾は独立国家だ」と言うニュアンスの発言をするだけで、中国側はヒステリックな位日本を非難し、一気に関係が悪化します。なぜ彼等は、そこまで頑固に台湾の独立を認めないのでしょうか?

一つには、台湾がもたらす物質的な利益を手放したくないが為です。例えば、世界のノートパソコン生産の約80パーセントが生産されるなど、台湾は電子部品・半導体の世界的な生産拠点です。台湾の一人あたりのGNI(国民総所得)は1万4000ドルを超えており、中国全体のGNI(約1500ドル)の約10倍もあります。面積は日本の九州ほどしかないこの小さな島は、経済的には北京や上海に匹敵する発展を遂げているのです。

また当然ながら、排他的経済水域(いわゆる200海里水域)も広がる為、海産物などの水産資源は無論、東シナ海のガス田のように、海中に眠る鉱産資源の獲得範囲も広がる事になります。現在も分裂統治されたままの状況ですが、中国共産党政権の理想は、台湾(中華民国政府)を完全に政権支配下に納め、そこからもたらされる経済的利益の恩恵にあやかりたいという所でしょう。

台湾が独立すればチベットも〜国家分裂を招く?

しかしそれ以上に中国側が独立を拒む理由があると思います。一言で言えば、国家としてのプライドを保たなければ、中華人民共和国の未来がないのです。プライドと言っても、何も中国人があつかましいとか、絶対に相手に頭を下げないとか、そんな対外的なメンツだけの話ではありません。

もし台湾の独立を認めてしまえば、中国政府の統率力が下がったと思われ、更なる国家分裂を招く恐れがあるのです。中国は多民族国家なうえに国土も広く、ただでさえ国家統治が難しいのに、近年では都心部と農村部との経済格差などから、政府に対する不満が各地でくすぶっている状態です。

もし今、一つの地域の独立を認めてしまえば、他の地域の不満が独立気運となって一気に高まって、かつてのソ連が解体・分裂したように「中華人民共和国」の国家分裂を招く危険性が高くなります。特に長年独立運動が盛んであるチベット地方などは、台湾が独立すればそれに追随することは間違いありません。

しかし一方の台湾(中華民国)側も折れる気配は一切無く、あくまで独立国家を目指すスタンスは変えないようです。そもそも中華人民共和国は社会主義国家ですが、中華民国は資本主義・自由経済を推す国家であり、両者は基本的に政治や経済に対する考え方が真っ向から異なります。国連やアメリカなどの先進諸国に幾らとがめられようとも、中国側は絶対に台湾の独立を認めないでしょう。

 





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