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人民元建ての預金は有効か?

BRICs辞典 > 中国 > 中国への投資 > 外貨預金編

当サイトでも紹介してきたように、中国政府は輸出主体の自国の利益を増大させるべく、ドル買い=人民元売りの為替介入をしており、本来よりも元安=ドル高の為替レートを意図的に作り出しています。

しかし、中国政府のこの元売り政策も、限界が来ています。余りの元安で中国が貿易で儲けすぎているため、アメリカなど先進国側から元の切り上げ(元売り介入の縮小)を求められています。そもそも中国自身も、膨大な貿易黒字による元高圧力は年々増しており、それを相殺するには大量の為替介入が必要です。しかも将来的に米国ドルの価値下落は避けられない状況だけに、為替介入でドル資産が増えることは、将来へ負債を先送りしているに過ぎないからです。今や中国の外貨準備は2兆ドルに迫るほど拡大しており、もはやこれ以上の為替介入は将来的に逆効果になると見られています。

ここに一つ、経済的な歪みを利用する方法があります。将来元高になる可能性が高いのなら、中国へ行って人民元建ての預金をすれば、将来確実に儲かると考えられます。本来ならば外貨預金には為替リスクが生じますが、切り上がっていくことがほぼ確実な人民元なら、リスクではなく単に為替差益の増大になるわけです。それに金利も高い成長率を反映して、近年では日本よりも常時高くなっています。

中国株投資でも元高の為替差益は(間接的に)得られますが、株式投資にはリスクがありますから、為替差益が株価の値下がりで消えてしまう危険性もあります。しかし、銀行預金なら値下がりリスクはありません。

元の切り上げで為替差益は見込めるが、問題も・・・

では実際にどれだけ人民元は切り上がっていくのでしょうか?

2005年度より人民元は徐々に切り上げが始まり、当時の1ドル=8.28元から2009年現在では1ドル=約6.8元まで切り上がりました。年率で直せば約4.2%の上昇ですが、これでも欧米各国からは「切り上げのペースが緩すぎる」と批判が出ている位です。もし仮に今のペースで行けば、2020年頃には人民元の価値は約50%上昇しますので、1ドル=3.5元前後、日本円だと1人民元=20円弱にまで切り上がる計算です。

これに加えて、預金金利も加算されます。2009年現在の中国では、経済危機の影響で利下げが行われたこともあり、定期預金の金利も3%台へと低下しています。しかし中国は高い経済成長率から、世界で最も早く経済危機から脱出すると見られていますから、今後の10年間では預金金利も更に上がるはずです。

金利と元の切り上げの複合技で、計算上は年率10%近い利回りが期待できます。しかも株式投資と違って、元本割れのリスクはありませんから、こんな美味しい話はありません。

果たしてそんな上手くいくのでしょうか? 実は幾つか問題もあり、現在中国では外国人の通貨の持ち出しは2万元までと制限されているようで、これを回避する為には一旦香港を経由して持ち出すなど、色々手間が掛かるようです。

しかし日本国内では人民元建ての外貨預金は存在しない(今後も現れないと思われる)ので、中国本土まで口座開設に出向く必要があります。ネットで申し込める口座開設の代理業者もあるようですが、手数料がかなり高いので利用価値は微妙です。また為替差益については、雑所得として日本国内で税金を納める義務が生じます(外貨預金やFXなどと同様)。

 

2010年、中国銀行とHSBC銀行香港の2行が、日本国内の支店で人民元建て預金の取り扱いを始めました。利息は1年定期で年2.25%となっているようです。為替差益の扱いなどは、通常の外貨預金と同様に雑所得として総合課税され、株式投資での損失と損益通算することは出来ません。




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