BRICsについて ブラジル ロシア インド 中国 (南アフリカ)  

Sasol(サソール)〜南アフリカの資源化学企業

BRICs辞典 > 南アフリカ > SASOL(サソール)

Sasol(サソール)は南アフリカ共和国に本社を置く、世界規模の資源企業です。石炭や天然ガスの採掘・販売が主な収益源ですが、Sasolの最大の武器は世界最先端の「石炭液化技術」にあります。

企業名 サソール (SASOL.ltd)
ティッカー SSL (ニューヨークADR)
業種 資源採掘・化学企業
設立年度 1950年
従業員数 約3万4千人
株式上場市場 ヨハネスブルグ証券取引所、ニューヨーク証券取引所(ADR)
売上高 2007年度:約1兆5千億円(1ランド=15円換算)
財務諸表
年度 売上高 純利益 利益伸び率
2004年 43606 5376 ---
2005年 69239 9719 +80.7%
2006年 82395 11299 +16.3%
2007年 98127 16765 +48.4%
2008年 129943 22417 +33.7%
2009年 137836 13648 -39.1%
2010年 122256 15941 +16.8%

※単位;百万ランド(ランドの為替レート

石炭液化技術とは、石炭から石油やガスや化学製品などを生成する技術の事。南アフリカはダイヤモンドや金など貴金属系の鉱産資源やレアメタルは豊富な埋蔵量を誇りますが、エネルギー資源には乏しい国です。石炭はある程度採れるのですが、石油や天然ガスなどはほとんど採れません。そのうえ、かつてアパルトヘイト(人種差別)政策を取っていた事に対する国連の制裁として、原油の輸入が規制され、国内のエネルギーが絶対的に不足する事態に陥りました。

そこで南アフリカでは国策としてのエネルギー確保に努めるようになりました。国の全面的バックアップを受けたSasol社は石炭液化技術の開発に成功し、石炭からよりエネルギー効率の良い石油やガスを精製して、エネルギー不足問題に対処しました。その為Sasolは、ガスプロムやルクオイル(ロシア)やペトロブラス(ブラジル)のような資源採掘が主業の企業と言うよりは、エクソンモービル(米)やトタル(フランス)やシノペック(中国)のように化学製品の精製までを行う総合化学企業の色合いが濃い会社だと言えます。

近年では中国最大の石炭会社である神華集団公司と合弁で、石炭から自動車燃料を製造する共同プロジェクトを立ち上げると発表しています。また日本の三菱化学とアクリル酸の精製・販売を手がける合弁会社を設立したり、カタールやナイジェリアなどでも開発プロジェクトに関わるなど、世界各国から技術提携を持ちかけられる存在となっています。

そして2007年度には、全世界で従業員数3万4千人、売上高が980億ランド(当時レートで約1兆5千億円)にものぼる巨大エネルギー企業へと成長を遂げています。そんなSasol社の株はADR(米国上場)として楽天証券で購入できます。

石炭の長所と短所〜可採年数の長さとCO2問題

Sasol社が主原料とする石炭は、安価で利用できるエネルギー資源として、世界中で活用されています。石炭は可採年数が約150年ほどあると言われ、可採年数の短い石油(約40年)や天然ガス(約60年)よりも長く、したがって今後も長期に渡り人類の生活に役立ってくれます。

火力発電と言えば「石油を燃やして発電している」と思われている方が多いと思いますが、実は火力発電では石油よりも石炭の利用比率が高いのです。

日本では国内の総発電量の28%が石炭で賄われていますが、石油は9.5%と石炭の3分の1程度です。総発電量に対する比率は、アメリカでは約50%が石炭で石油は3%程度、インドでは約69%が石炭で石油は4.5%、中国に至っては約80%が石炭で石油は2%強に過ぎません。つまり、世界でエネルギーの消費量が最も多い上位5カ国(アメリカ・中国・ロシア・日本・インド)のうち4カ国は、発電で石炭が最大の割合を占めているのです。

一方で地球温暖化問題で、二酸化炭素【CO2】の排出が(真偽に大いに疑問が残るが)世界的に問題視されており、CO2排出量の多い石炭での発電がやり玉にあげられています。

そこで日本では、石炭をガス化する技術の開発が近年進んでいます。石炭を熱処理分解してガス化すれば、CO2や窒素酸化物などの不純物を取り除きやすいそうです。またガス化して発電した方が、石炭を直接燃やして発電するよりも、発電効率が高くなるのでエネルギーの無駄が少ないそうです。

温暖化防止の為の二酸化炭素議論が世界的に高まっていくのは避けられそうにないだけに、Sasol社の石炭液化技術や日本の石炭ガス化など、CO2排出量の少ない石炭利用法は、ますますニーズが高まりそうです。

 








免責事項・リンクポリシー | お問い合わせ | 海外投資データバンク | HOME

Copyright (c) 2006-2013. BRICs辞典. All Rights Reserved.