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2010年南アフリカW杯の問題点

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ご承知のように、2010年のサッカーワールドカップは南アフリカ共和国で開催されます。アフリカ大陸では初めての大規模なスポーツ国際大会であり、南アフリカの経済発展に大きく貢献するものと期待されています。しかし一方で、南アフリカでの開催自体を危ぶむ声も少なくありません。

問題点の一つは、スタジアムや交通網などの建設の遅れです。しかしこれは、1964年の東京オリンピックや2008年の北京オリンピックなどでも同様でした。新興国ではインフラ整備の遅れは当たり前のことですし、直前になると昼夜を問わない突貫工事を行い、国の威信をかけて何とかギリギリ間に合わせるのが常です。

実は南アフリカワールドカップの最大の問題点は、劣悪な治安状況にあります。アパルトヘイト廃止後に貧富の差が拡大し、黒人層を中心に犯罪集団が形成され、銃を使った犯罪も日常的に行われています。

特に同国最大の都市であるヨハネスブルグは「犯罪発生率が世界最悪の都市」といわれており、殺人事件で一日50人以上が亡くなっているという統計もあります。ヨハネスブルグの中心地では観光客が町を歩けばほぼ確実に強盗に襲われる為、駅などで警官が出歩かないように指導しているほどです。

サッカーワールドカップは世界最大級のイベントであり、世界中から観光客が押し寄せてきます。当然宿泊するホテルは不足しており、中小のホテルやゲストハウスなどにも利用せざるを得ないと予想されます。しかし現在の南アフリカの治安状況では、観光客がそのような場所に滞在するのは余りに危険すぎて、観光などまともにできないだろうと言われています。

ワールドカップ開催の経済効果

新興国にとって、オリンピックやワールドカップのような世界的ビッグイベントを開催する事は、その国の経済にすさまじい経済効果をもたらします。合計10会場のスタジアムの建設・増改築だけでも17億ユーロ(約2000億円)が使われると言われています。

それ以外にも、国内のインフラ整備が進む事になります。かつて日本でも、東京オリンピック開催に合わせて高速道路(首都高速)や東海道新幹線が建設され、その後の日本経済の発展に大きく貢献しました。南アフリカでも一部を除き、まだまだ道路や鉄道網などのインフラは整っていないので、建設業を中心に大きな恩恵を受けられます。

国内の消費拡大にも、大きくプラスに働きます。ワールドカップ開催国は予選免除で出場権を得られるので、2006年ドイツW杯出場を逃した南アフリカも、自動的に大会に参加でき、最低でも3試合は行う事になります。当然ながら、南アフリカ国内ではテレビを中心に、携帯電話やパソコンなどの情報端末が劇的に売れる事が期待できます。

また観光客が大量に押し寄せる為、宿泊施設や飲食店なども大きく売上げを伸ばせますし、新規雇用が8万人増えると推計されるなど、多大な恩恵を受けられます。

ワールドカップは全63試合なので、スタジアム観戦者だけでも累計で約300万人にのぼります(2006年ドイツW杯は約337万人)。観戦者には重複や自国民も含まれるので、300万人全てが観光客ではありませんが、チケットも持って無くてスタジアムに入れないのを覚悟でやってくる観光客も大勢いますから、実際の観光客数はそれ以上になると予想されます。

このように大きな経済効果を生むワールドカップ開催ですから、南アフリカにとってはぜひとも成功させて、更なる経済成長に結びつけたい所です。その為にも、国を挙げて治安強化に取り組み、観光客が安心して来られるような体制を整えて欲しいですね。

 

追伸:南アフリカワールドカップの経済効果は合計1兆1625億円との試算。内訳は外国人観光客からの収益は16%ほどで、71%は政府関連によるインフラ投資(週間東洋経済2010.5/15号より)。








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